大西健丞のビジョンを説明するためのWEBサイト

Team Onishi チーム大西(大西健丞)WEBサイト

お知らせ NEWS

【メディア掲載】産経新聞 「台湾有事も念頭に」国内初の災害医療船運用、ピースウインズ・ジャパン代表理事に聞く

2024.12.20

2024年12月10日産経新聞にてピースウィンズ・ジャパン代表理事大西健丞のインタビューが掲載されました。(以下一部抜粋)

掲載サイトはこちら

国内外で医療支援を展開する特定非営利活動法人(NPO法人)「ピースウィンズ・ジャパン」(広島県)。災害の被災地だけでなく紛争地などでも幅広く活動しており、災害時に海から現場へ駆けつける国内初の「医療支援船」の運用を本格化させている。大西健丞(けんすけ)代表理事に狙いを聞くと、巨大災害だけでなく、「台湾有事」を見越した人道支援も念頭にあることを明かした。

燃料補給の面でも船舶は有効

--ピースウィンズ・ジャパンでは現在、5機の航空機と4隻の船舶を運用するなど「海空」の移動手段を拡大させている

「南海トラフ地震のように強震を伴うと、陸上の交通がしばらく止まる。多くの医療者を広域に早く到達させなければならない。阪神大震災では、死者全体の約1割が病院に到着しながらも亡くなった。『未治療死』を防ぐためには、医療を一刻も早く届ける必要がある」

--中でも船舶の利点は

「日本は島嶼(とうしょ)部なので、重量物は船がないと運べない。隠れた大事なミッションとして燃料供給がある。医療支援船は600トンの大量の軽油を提供できる。航空燃料やガソリンも法定ギリギリまで積む。全てのロジスティクス(物流)は燃料が切れたら終わりだと、東日本大震災で思い知った。被災地近くの空港は大体、政府機に占用される」


何もしていない日本政府

--日本政府からの支援はないのか

「米政府が日本国内の防災事業を支援してくれているのに、日本政府は何もしていない。政府には、もっと民間を活用する発想が必要だ。大規模災害になるほど、企業や社会も含めていろんな力が必要なはず。端的に言うと、『戦力外を戦力化する』のが優秀な指揮官だが、戦力外のわれわれをうまく応用できていない」

最初に到着して人道回廊を作る

「もっと海上対処能力を上げる必要がある。誰が最初に海路の安全を確認するのか。もちろん軍艦が想定されるが、軍艦が支援物資をそんなに運んでくれるとは思えない。最初の医療船として到着し、人道回廊を作らなければいけない。われわれが『ファーストペンギン』になる」

--なぜ、日本では官民連携が進まないのか

「核戦争が本気で考えられていた欧米には『Civil defence(市民防衛)』という発想がある。生き残った人たちで領域を自治しなければいけない。戦争を別の言い方で『Manmade disaster(人間による災害)』とも言う。この発想で、有事や災害に対応する民間組織をどう作るか、政府に任せて大丈夫か、という議論がされる」

「だが、日本では有事は棚上げ。しかも、幸運なことに戦後、阪神大震災まではおおむね静穏期だったため、『災害については政府任せ』というカルチャーができた」

「行政は災害と有事を別々に考えがちだが、切り離せば無駄が多い。大規模災害の脅威は大きく、国民保護のための装備は一本化できる。また、柔軟に考えれば(そうした備えは)民間で先行させられる。どう考えても、台湾や朝鮮半島の有事に日本が関わらないわけがないのだから」(産経新聞)