大西コラム COLUMN 「常在戦場」

ピースウィンズ・ジャパンとは|4つの事業と団体概要、取り組みについて

vol.8

2023.8.24

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)とは

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンは、大西が1996年に立ち上げたNGOです。「ソーシャルイノベーションプラットフォーム」として領域や国を限定せず幅広く支援活動を行っており、現在は約450名のスタッフが世界各国で活動しています。

公式サイト: https://peace-winds.org/

4つの事業活動

海外事業をメインに推進してきましたが、現在は国内外を問わず複数の事業を展開しています。各事業の詳細はHPにも記載していますので、今回はざっくりと概要をご紹介します。

1. 海外人道支援

以前のコラムでもご紹介した通り、PWJはイラク・クルディスタンでの支援活動を経て立ち上げた団体ということもあり、引き続き海外の人道支援が活動の主軸になっています。紛争地での避難民の支援や帰還民への職業支援、日本医師の派遣、児童施設の子どもたちの支援などを幅広く行っています。

イラク訪問時の大西の画像です。


◼️フェアトレード
支援の一環として、東ティモールでのフェアトレード支援も行なっています。
フェアトレードは、公平な貿易を推進することで、現地の人びとの持続可能な発展を促すことのできる活動です。1999年、東ティモール独立前の騒乱時に支援活動を行っていたことをきっかけに、東ティモールで唯一の換金作物であったコーヒーの栽培・加工の技術的支援を開始しました。
(以下よりフェアトレードコーヒーをご購入いただけます☕️ ↓)
ピースウィンズショップ: https://pwshop.ocnk.net/

 

2. 災害緊急支援

紛争地での支援から派生して、被災地支援も行っています。国内外を問わず、地震や大型台風等の被害を受けた場所へ赴き、支援活動にあたります。

画像

最近では、トルコの大地震や東南アジアのサイクロンで被害を受けた地域の支援活動を実施しました。また日本でも、コロナ禍の中で高齢者向け施設への物資提供などを行いました。

◼️ARROWS(空飛ぶ捜索医療団)
2020年には、日本での災害発生時に救助・救命活動を即時に行うための新しいプロジェクトを立ち上げました。PWJを核に、以前のコラムでご紹介しているCivic Force、アジアパシフィックアライアンス・ジャパンをはじめ、多くの組織が関わって緊急対応を行うことを可能にしました。
空飛ぶ捜索医療団”ARROWS”公式サイト: https://arrows.red/

 

3. ピースワンコプロジェクト

犬の殺処分ゼロを掲げ、野犬の保護・保護犬の譲渡活動も行っています。

夢之丞と大西

広島を本拠地として殺処分対象犬の全頭引き取りを開始し、実際に広島では、2023年時点で7年連続で殺処分ゼロを継続しています。関連事業として災害救助犬の育成やドッグランの運営、啓発活動も行っています。
ピースワンコ・ジャパン公式サイト: https://peace-wanko.jp/

4. 地域再生事業

地域復興のための伝統工芸支援、教育支援も実施しています。現在は主に瀬戸内海の現代アートと佐賀県の伝統工芸品の支援活動を行っており、助成事業やふるさと納税プロジェクトなどを運営しています。
地域創生に関するページ: https://peace-winds.org/activity/type/reconstruction

有田焼の画像です。

 

大西自身が手を動かす

各事業の共通点として、大西自らが手を動かして立ち上げてきたという点があります。
例えばピースワンコプロジェクトは、広島県の愛護センターに大西自ら赴き、殺処分直前の子犬であった夢之丞を保護したことから始まりました。
また団体立ち上げ後もクルディスタンに再訪したり、災害発生時は現地に赴いたりと、代表だからといって指示出しや計画だけに止まることなく、実態の把握に向けて現地で活動し続けています。

 

大西の想いとビジョン

“必要な人々に、必要な支援を”

一般的なNGOは活動内容や国を限定していることがほとんどですが、この合言葉をベースに、PWJでは国も活動内容も決めずに活動しています。活動の原点となった海外の紛争地支援に限らず、自分たちに解決できる課題があれば取り組むべきだ、という大西の思想が、事業選定にも表れています。
今後は医療や農業、福祉などの領域にも挑戦していく方針です。

“ソーシャルイノベーション・プラットフォーム”として

これまで多くの国・地域で支援活動をしてきた経験から、大西は「参加型社会」の構築をビジョンとして掲げています。NGO、企業、国民が各々の立場で公益の実現に関われる社会を創造することで、もっと多くの人たちに支援を届けていくことを理想としています。

したがってPWJは、単なるNGOではなく、社会課題の最前線で解決に全力を尽くす”ソーシャルイノベーション・プラットフォーム”として挑戦を続けています。
実際に企業との協働も増えており、スタートアップの若手起業家らと、資金援助だけでなく、事業として協働していく動きも進んでいます。そうした新しい支援者たちとの活動をネットワーク化していくことが、PWJが担う「ソーシャル・イノベーション・プラットフォーム」の役割になっていくことを目指して、大西は今日も活動にあたっています。